中古車を購入したら、どんな書類が必要になる?
取得方法は?

中古車販売店で中古車を購入した後は、さまざまな書類を用意する必要があります。購入後、納車までの段取りがスムーズにいくよう、どのような書類が必要なのか、あらかじめ確認しておきましょう。なお、普通車と軽自動車とでは用意する書類が異なるため、注意が必要です。ここでは、普通車と軽自動車に分けて中古車購入後に必要な書類について詳しく説明します。

1.普通車の場合に必要な書類と取得方法

1.普通車の場合に必要な書類と取得方法

普通車を購入後、名義登録のために以下の書類等が必要です。
・実印
・印鑑証明書
・車庫証明書
・委任状

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

1-1.実印

実印とは「住民登録をしている市町村役所・役場で申請して受理され、登録が済んだ印鑑」を指します。「実印」というものが売っているわけではありません。どのような立派な印鑑も登録するまでは実印として使えず、たとえ100円で買った三文判でも、登録すれば実印として使用できるのです。もし、手元に実印として使える印鑑がないのであれば、中古車を購入するにあたって登録を済ませておく必要があります。登録する際は、実印として使用する印鑑を用意し、身分証明書を持って住民登録している市役所で手続きをしましょう。

登録する印鑑は、一辺が8mm以上24mm以内のサイズのものと規定されています。どこかが欠けているものやシャチハタなどのインク浸透印は実印登録できません。100円程度の安価な判子でも実印登録は可能ですが、リスクが高いため避けたほうが良いでしょう。なぜなら、安い判子は大量生産されているもので、同じものがほかにもある可能性が高いからです。悪意を持った第三者が名前をかたって大事な契約書に勝手に印を押すこともないとは限りません。ちょうど良い印鑑がなければ、三文判を買うのではなく、印鑑屋に行って作ることをおすすめします。

役所では、備えつけの印鑑登録申請書に必要項目を記入して窓口に提出し、身分証明書を提示すれば手続きできます。数十分程度で終わるでしょう。手続き完了後に印鑑登録証か印鑑登録カードのどちらかが渡されるので、紛失しないように大切に保管する必要があります。

1-2.印鑑証明書

印鑑証明書とは、実印に添えて「この印鑑は実印登録が済んでいる」ことを証明するものです。印鑑証明書を取得する際は、印鑑登録証(もしくは印鑑登録カード)を持って実印登録した市役所に行きましょう。なお、自治体によっては利用者証明用電子証明書が搭載されたマイナンバーカードがあれば、コンビニの端末で取得することも可能です。コンビニでは、年末年始とメンテナンス時を除き、平日・土日にかかわらず6時30分~23時の間で取得できます。なお、印鑑証明書には有効期限があるため注意しましょう。一般に、中古車の名義変更で必要なケースでは、3カ月以内に発行した印鑑証明書が有効です。

1-3.車庫証明書

車庫証明書は「購入する予定のクルマを駐車するスペースはきちんと用意してある」ことを証明する書類です。必要な書類を揃えて管轄の警察署へ申請すると発行してもらえます。販売店に有料で代行を依頼するか、自分で手続きして取得することもできます。なお、自宅と駐車場が離れている場合、車庫証明が取得できる駐車場は自宅から直線距離で2km以内となります。また、賃貸の駐車場の場合は、申請書類に貸主の捺印が必要な箇所があります。マンションの駐車場などの場合はマンションの管理会社に捺印(有料の場合が多い)してもらいます。
自分で車庫証明書を取得する場合の手続きについては、あとで詳しく説明します。

1-4.委任状

委任状は、「本来は自分でするべき手続きを指定する代理人にお任せします」という意向を示す書類です。名義登録や車庫証明書の申請手続きを販売店に代行してもらう際に必要になります。委任状の書式は販売店側が用意することが一般的で、自分で用意することはほぼありません。委任状を渡されたら、委任者欄の住所や氏名など必要事項を記入し、実印を押します。

なお、委任状は本人に代わって申請や契約ができる権利を委譲することを示す書類です。販売店側の手違いで紛失し、誰かの手に渡ってしまうと、悪用されるリスクがあります。そのため、委任状が不要になったら返却してもらいましょう。自分の手でシュレッダーにかけるなどして確実に破棄することが大切です。

2.軽自動車の登録に必要な書類が違う!

2.軽自動車の登録に必要な書類が違う!

普通車と軽自動車では購入後に必要な書類が異なります。軽自動車の場合は以下の書類を用意する必要があります。
・住民票
・申請依頼書

普通車とどのような点で異なるかも含めて、それぞれ詳しく見ていきましょう。

2-1.実印・印鑑証明書・車庫証明は不要

普通車を購入する際に必要な実印、印鑑証明書は不要ですが、代わりに認印、住民票が必要となります。なお、認印とは印鑑登録をしていない印鑑のことです。シャチハタのようなインク浸透印も認印の一種ですが、軽自動車購入の手続きでは認められないことが多いため、それ以外の印鑑を用意しましょう。
駐車スペースがあることを事前に証明する車庫証明書も不要ですが、車両を登録する地域が以下の条件に当てはまる場合は、名義登録後に管轄の警察署へ車庫の届け出が必要です。届け出は販売店に有料で代行してもらうか、自分で届け出する事もできます。
<車庫の届け出が必要な地域>
・県庁所在地
・人口10万人以上
・東京や大阪の中心から30km圏内
届け出が必要かどうかは事前に確認しておきましょう。

2-2.住民票

住民票は住民登録のある市役所に行って申請書を提出し、身分証明書を提示すれば発行してもらえます。自治体によっては、利用者証明用電子証明書が搭載されたマイナンバーカードがあれば、コンビニにある端末での取得も可能です。

2-3.申請依頼書

名称が違うだけで、普通車の時に必要な委任状と同じ性質のものです。書式は販売店側が用意することが一般的で、自分で用意することはほぼありません。住所や氏名など必要事項を記入し、認印を押します。

3.車庫証明(届け出)を自分で取得するには?

3.車庫証明(届け出)を自分で取得するには?

車庫証明(届け出)の申請は、販売店に有料で代行してもらう事もできますが、自分で行うこともできます。ここでは、自分で行うメリットや具体的な手順について解説します。

3-1.車庫証明(届け出)申請を自分で行うメリット

最大のメリットは、販売店に払う代行費用が節約できることです。代行手数料は販売店によって異なりますが、およそ1~3万円ほどかかります。自分で申請すれば、かかる費用は証紙代として普通車が3,000円程度、軽自動車が600円程度です。また、申請してから交付されるまでには3~5日程度かかるため、普通車の場合は自分で早めに取得することで納期を早められる点もメリットといえるでしょう。

3-2.車庫証明(届け出)の申請に必要な書類と具体的な手順

車庫証明(届け出)を申請する際、以下の申請書類が必要になります。申請書式は販売店が用意してくれる場合がほとんどですが、駐車スペースのあるエリアを管轄する警察署または、インターネットからダウロードする事も可能です。
・普通車:自動車保管場所証明申請書/軽自動車:自動車保管場所届出書
・保管場所標章交付申請書
・保管場所使用承諾証明書もしくは保管場所使用権原疎明書面(自認書)
・保管場所の所在図や配置図

申請書類に必要事項を記入したら警察署の窓口に提出し、申請手数料を支払いましょう。手続きが済むと車庫証明(届け出)書の交付日を教えてもらえます。交付日が来るまでに警察官が実際に申請した駐車スペースを確認しに来ることもありますので、別の車を停めたり荷物を置いたりせずちゃんと空けておきましょう。交付日が来たら再び警察署に行き、証紙代を支払って車庫(届け出)証明書を受け取ります。

書類を不備なく早く用意することで納車も早まる!

必要な書類を漏れや抜けなく用意して提出することで、購入した車の納期を早めることが可能です。この記事に記載の通りさまざまな書類が必要ですが、販売店で用意してくれるものも多く、難しく考えることはありません。車庫証明(届け出)は、余裕があれば自力で取得すると費用が抑えられて良いでしょう。また、普通自動車と軽自動車とでは必要な書類が異なることを理解し、購入した車両によって間違いの無いようにしっかり準備することが必要です。

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<記事掲載日>2020年10月8日

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