車の寿命や買い替えは10年が目安?長く乗れば乗るほど維持費がかかるって本当?

長年同じ車に乗り続けていると、だんだんと車自体に愛着がわいてくるものです。しかし一般的に、車の寿命は10年が目安だともいわれています。実際のところ、維持費やメンテナンスのことを考えるのなら、車の買い替え時期はいつを目安にするべきなのでしょうか?そこでこの記事では中古車の維持費はもちろん、税金面も考えて車の買い替え時期はいつすべきなのか詳しく解説します。

1.般的な平均使用年数は普通乗用車で13年、軽自動車で14年

1.般的な平均使用年数は普通乗用車で13年、軽自動車で14年

長らく車の寿命は、10年が目安だといわれてきました。しかし平成30年に一般財団法人自動車検査登録情報協会が調べた自動車の平均使用年数によると、普通乗用車は13.24年、小型乗用車も13.23年と長期化しているという数字が出ています。また同じように軽自動車協会の調べによると、軽自動車も平均使用年数が14.92年と大幅に長期化。この背景は自動車メーカーのたゆまぬ技術向上により、自動車自体の耐久性が年々向上している点が大きな理由と考えられるでしょう。

2.車の寿命はメンテンス・使い方次第で大きく変わる

2.車の寿命はメンテンス・使い方次第で大きく変わる

車の平均使用年数が10年以上、軽自動車にいたってはほぼ15年使用できるといっても、これらの数字はあくまでも平均値です。車の寿命はそれぞれのユーザーによる乗り方、メンテナンスの有無で大きく異なります。同じ車種であっても、使い方やメンテナンスが悪ければ10年以下で動かなくなってしまうことも。では車の寿命を左右する、メンテナンスや乗り方とはどのようなものでしょうか?

車のメンテナンスといわれて一番に思いつくのが、定期的に行われる車検整備ではないでしょうか。しかし車のメンテナンスには他にも半年点検や12カ月点検、またオイル交換や各パーツ・消耗品の交換など幅広く存在し、実施する範囲や頻度によって車の寿命は大きく変わります。

また車の寿命は走行距離や使用環境によっても変わってくるため、どのくらいの頻度でどんな利用の仕方をしているかも重要なポイントです。ただし反対に動かさないことも、車にとって良い状態とはいえません。車にとって適切な頻度・距離で動かし、細やかなメンテナンスを行うことが車の寿命を延ばすポイントといえるでしょう。

3.車の寿命「10年」「10万㎞」は1つの目安でもある

3.車の寿命「10年」「10万㎞」は1つの目安でもある

車自体の耐久性の向上や、メンテナンスや乗り方でも寿命が異なると解説しました。では車の寿命には目安がないのでしょうか?実は上記でも触れた「車の寿命は10年、10万㎞」という言葉が、現在でも1つの目安として役に立っています。車自体の性能や耐久性は大幅に向上していますが、部品の経年劣化までは大幅に変えることは難しいのです。

特にエンジン内部のように繊細かつ、大きな力がかかる部分は10年を超えると故障が出やすくなるのも事実です。また自動車メーカーと自動車部品メーカー間での取引は、10年間は同じ部品の流通を約束する契約がなされています。そのため10年を超えると、車に必要な部品がなくなってしまう可能性もあるのです。したがって10年超えの車の場合、もしもの故障時に純正部品が手に入らなくて修理ができない、というケースも考えられるでしょう。

また昨今ではあまり言われることが少なくなりましたが、昔は「タイミングベルト」の耐用年数が10万㎞とされており、その部品の寿命が切れてしまうことから、車自体の寿命とも考えられていました。

4.10年超え、10万㎞以上乗り続けると維持費は高くなる

車は便利な乗り物ですが、消耗品が多いこともありメンテナンスに費用がかかるものです。車の消耗品は大別して「走行距離に比例する消耗品」と「時間経過による部品の劣化」があります。それぞれどのような部品なのか、また交換時期や費用の目安について見ていきましょう。

4-1.【部品別】交換時期と費用の目安

まずは気になる車の主な消耗部品について見ていきましょう。気が付かないうちに車検で交換されている部品もあるかもしれません。

部品名 交換時期(走行距離、時間) 費用
エンジンオイル 5,000km、もしくは6カ月 4,000円~
エンジンオイルフィルター 1万km、もしくはオイル交換2回ごとに1回 2,000円~
バッテリー 2~3年に1回 1万円~
冷却水 2~3年 5,000円~
ラジエター液 車検時(新車は3年、あとは2年ごと) 5,000円~
エアクリーナーエレメント 2~3万km 3,000円~
スパークプラグ 2~3万km 5,000円~
ファンベルト 4万km 6,000円~
タイヤ 4~5年、もしくは溝の深さ1.6mm以下
(5年経過で1.6mm以上の溝が残っていても交換)
4万円~
タイヤローテーション 5,000km 2,000円~
ブレーキパッド 3~4万km(距離や年数での判断が難しく、
状態による※厚さ1mmが使用限界)
1万5,000円~
ブレーキフルード(オイル) 車検時(新車は3年、あとは2年ごと)、
もしくは2万km
5,000円~
ブレーキシュー 5~10万km 1万5,000円~
ドライブシャフトダストブーツ 7~8万km 3万円~
ヘッドライト 通常時の明るさの70%を切ったら寿命 2,500円~
エアコンフィルター 1万km、もしくは1年 2,000円~
ワイパーゴム 1年 2,000円~
ワイパーブレード 2年 2,500円~
ウィンドウォッシャー液 1カ月に1回、もしくは切れたら補充 1,000円以内

思っていた以上に交換する部品が多いと感じたのではないでしょうか。ただし多くの部品は、自身で取り換えるよりも車検時や点検時に交換をおすすめされるもの。自分で管理するのが難しい場合は、定期的にプロのメンテナンスを受けておきましょう。

4-2.10年で必要となる部品交換と費用の目安

続いては車の寿命の一つの目安となる、10年を迎えるタイミングで交換が必要になる部品。そして費用の目安について解説していきます。

部品名 交換時期(走行距離、時間) 費用
プラグコード 10万km、もしくは10年 1万5,000円~
タイミングベルト 10万km、もしくは10年 5万円~
ファンベルト 5~10年 5,000円~
ブレーキホース 10万km、もしくは10年 2万円~
ラジエターホース 10万km 1万円~
ハブベアリング 10万km、もしくは10年 8万円~

10年、10万km超えの車の交換部品としては、タイミングベルトが代表的な部品だといえます。劣化によるひび割れや巻きこみがきつくなってしまうと、キーといった甲高い音を立てることがあります。最悪ベルトが切れてしまうと、車が動かなくなってしまうことも。普段聞くことがない異音を感じたら、早々に修理や確認を依頼することが大切です。

また交換部品としては、上記に挙げたもの以外に足回りに多用されるゴム部品など、細かな交換が必要です。MT車ならばクラッチ、AT車ならATフルードなど、車の種類によっても交換部品が出てくることも覚えておきましょう。

5.車は13年経過すると、税金アップで維持費がかかる

同じ車を長く愛用するのなら、メンテナンスコストの他に「税金」についても知っておくべき注意点があります。それは新規登録から13年が経過すると、自動車税(種別割)が重課税されてしまう点です。自動車の種類によって税額は異なりますが、軽自動車、普通自動車を問わず一律に税金がアップするので税金面も高くなるといえます。

▼自動車税(種別割)

自動車の種類 13年未満 13年以上
軽自動車※1 1万800円 1万2,900円
1,000cc未満の乗用車※2 2万9,500円 3万3,900円
1,000以上1,500cc未満の乗用車※2 3万4,500円 3万9,600円

※1 初度検査年月が平成27年4月以後の車
※2 令和元年9月30日以前に新車新規登録した車の場合

海外とは異なり、日本では車を長く所有すればするほど維持費が高くなる仕組みです。ちなみに自動車税(種別割)だけではなく、自動車重量税も同じタイミングで税額がアップされます。さらに13年目だけではなく、18年目にも税額がアップします。そのため13年、18年と同じ車を所持していた場合、車検のたびに維持費は上がるでしょう。

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日々のたゆまぬ企業努力によって、車の耐久性や機能は大幅にアップしていますが、必要以上に長く使用することは突然の故障や高額な維持費を招きます。車といえども消耗品なので、その車に適したタイミングでの買い替えが安全に乗るためには大切です。

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<記事掲載日>2021年1月15日

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