中古車の減価償却は新車より節税効果あり!会計処理をシンプルにするならカーリース
会社の経理担当者や個人事業主の方は、社用車を購入する際に新車と中古車、どちらを選べば経済的なのかを一度は検討するでしょう。自動車を現金や銀行・販売店のオートローンで購入した場合、購入代金を何年かに分けて経費計上しなければならない「減価償却」とルールがあります。新車と中古車では減価償却の年数が異なるため、どちらの節税効果が高いのかが分かりにくいのが現状です。今回は、新車・中古車それぞれの減価償却の方法や耐用年数を中心に解説します。面倒な減価償却の手間もかからない社用車のカーリースの仕組みについてもチェックしてみましょう。
1.減価償却とは一体どんな仕組み?耐用年数って何?
減価償却とは、法人や個人事業主が事業目的で使用する固定資産の購入で支払った経費を、何年かに分けて計上する税務上の仕組みです。
品物の価格が一式10万円以上で、かつ年数の経過とともに商品価値が下がる固定資産が減価償却の対象となります。税込経理方式で記帳する事業所の場合は、税抜販売価格が9万910円以上であれば対象です。ただし土地や借用権、美術品・骨董品などのように、時間の経過によって価値が変わりにくい資産や、使用可能期間が1年未満の資産については減価償却の対象となりません。
固定資産は、有形固定資産と無形固定資産に区分されており、資産の具体例は次のとおりです。なお、減価償却の期間は資産ごとに、耐用年数として定められています。
有形固定資産 | 無形固定資産 | |
---|---|---|
特徴 | 目に見える | 目に見えない |
資産の一例 | 自動車 パソコン 各種機器類 建物 など |
ソフトウェア 商標権 営業権 特許権 など |
1-2.耐用年数とは?
耐用年数とは、自動車やパソコン・ソフトウェアといった固定資産を使用できる標準的な期間として、所得税法や法人税法で定められた年数です。「法定耐用年数」と呼ばれることもあります。
耐用年数は、新規に購入した資産の価値を基準に、資産の種類や構造などによって細かく定められています。中古資産の場合は使用環境や劣化状態にかかわらず、経過年数をもとに所定の計算式に当てはめて耐用年数を決定します(後述)。そのため、資産ごとの耐久性やグレードといった個別の特徴によって耐用年数は変動しません。
ちなみに、一般的な用途で使用される自動車の耐用年数は、次のとおりです。
普通乗用車 | 貨物自動車 | 軽自動車 | |
---|---|---|---|
耐用年数 | 6年 | 5年 | 4年 |
ナンバー | 3ナンバー・5ナンバー | 1ナンバー・4ナンバー | 全ナンバー |
備考 | ― | ダンプ式は4年 | 排気量0.66リットル以下 |
2.新車と中古車の耐用年数の違いとは?
新車の耐用年数は、普通自動車が6年、貨物自動車が5年、軽自動車は4年です。一方、中古車の場合は購入前の経過年数を考慮して耐用年数が決まるため、新車と比べると減価償却の期間が短くなります。そのため、新車登録から1年以上経過した中古車を購入すれば、毎年の減価償却費を多くできるため、節税効果が期待できるでしょう。
3.中古車の耐用年数の計算方法
先ほど説明したように、新車の耐用年数は法律で定められていますが、中古車の耐用年数は購入した車両の経過年数によって異なります。車検証に記載された初度登録年月を基準に、車両の経過年数を月単位で割り出した上で、次の計算式で耐用年数を求めます。計算結果の1年未満の端数は切り捨てとなり、また計算結果が2年未満となった場合は、その車の耐用年数は2年となります。
【中古車の耐用年数の計算式】
(法定耐用年数-経過年数)+(経過年数×20%)=中古車の耐用年数
経過年数が2年6カ月の中古の普通乗用車に当てはめてみましょう。
(6年-2.5年)+(2.5年×20%)=3.5年+0.5年=4.0年
したがって、この中古の普通乗用車の耐用年数は4年です。
例外として、購入した中古車を業務に使用できるように修理・改造を行った結果、修理費や改造費が中古車の車両価格の50%以上に達した場合は、新車と同じ耐用年数となります。そのため中古車を購入する際は、修理や改造を最小限に抑えられる車両を選ぶのが節税対策として有効です。
4.減価償却の計算方法
中古車の減価償却を行う際は、購入した車両の耐用年数を計算した後に「定額法」または「定率法」によってその年の減価償却費を計算します。主に個人事業主が使用する定額法では、定額法の償却率を使って減価償却費が毎年一定額になるよう計算するのに対し、主に法人で使用する定率法では経過年数ごとの償却率を基準に計算するのが基本です。定額法・定率法ともに、償却率は「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」で定められています。
車両の償却方法は原則として、法人が「定率法」、個人事業主が「定額法」と決まっています。しかし確定申告の期限までに税務署へ届け出れば、翌事業年度から別の償却方法を選択可能です。減価償却費は決算時に1年分を一括計上しても、年間の減価償却費を12等分して毎月計上しても差し支えありません。
続いて定額法・定率法、それぞれの詳しい計算方法について確認していきましょう。
4-1.定額法の計算式
定額法による減価償却では、原則として毎年同じ額の減価償却費を計上します。計上額の計算式は、次のとおりです。
固定資産の取得価額×定額法の償却率=1年分の減価償却費
個人事業主が1月1日に中古の普通自動車(新車価格300万円、新車登録から15カ月経過)を120万円で購入した例で、減価償却費を計算してみましょう。
(1)耐用年数…(6年-1.25年)+(1.25年×0.2%)=耐用年数は5年
(2)定額法の償却率は0.200(※減価償却資産の償却率表を参照)
(3)減価償却費…120万円×0.200=24万円
したがって今回のケースでは、1年間の減価償却費は24万円となります。
4-2.定率法の計算式
定率法による減価償却では、年度初めの固定資産の価値を基準に減価償却費を計上します。固定資産を購入した初年度の減価償却費が大きくなるのが特長で、計上額を求める式は次のとおりです。
年度初めの固定資産の価値(未償却残高)×定率法の償却率=その年の減価償却費
先程と同じように、個人事業主が1月1日に中古の普通自動車(新車価格300万円、新車登録から15カ月経過)を120万円で購入した例で減価償却費を計算してみましょう。
(1)耐用年数…(6年-1.25年)+(1.25年×0.2%)=耐用年数は5年
(2)定率法の償却率は0.400(※減価償却資産の償却率表を参照)
(3)減価償却費
・1年目…120万円×0.4=48万円
・2年目…(120万円-48万円)×0.4=28万8,000円
・3年目…(120万円-48万円-28万8,000円)×0.4=17万2,800円
・4年目以降は省略
固定資産(自動車)を購入した年度に減価償却費を多めに計上したい場合は、定率法を選ぶのが有利です。ちなみに、新車登録から3年10カ月以上経過した中古普通自動車や、1年4カ月以上経過した中古軽自動車の場合は、耐用年数が2年となります。そのため、定率法を使えば購入初年度に一括して経費計上でき、短期的な節税効果が期待できます。
5.車購入するなら、現金一括購入とカーリースどっちが節税になる?
新車・中古車にかかわらず社用車を現金で一括購入した場合は、先ほど説明した方法で減価償却を行う必要があります。銀行や販売店のオートローンで購入した場合も同様です。
一方、社用車をカーリースで導入すると、月々のリース料を全額、必要経費に計上できるのが魅力です。しかも、毎年の自動車税や車検時にかかる自動車重量税・自賠責保険料もリース料に含まれているため、経理処理も簡素化されます(勘定科目を「リース料」または「賃借料」で仕訳)。
現金一括払いでの購入に比べると総支払額が高くなるデメリットはありますが、カーリースで社用車を導入すれば全額経費計上できるため、節税面での一定の効果が期待できます。さらに中古車のカーリースだと車両本体価格が抑えられるため、さらに節税効果が高まるでしょう。一時的な現金流出を回避できるので、資金繰りの面でも有利といえます。
カーリースならリース料全額を経費に計上できて減価償却も不要
カーリースは頭金不要で契約できるため、まとまった初期費用をかけずに社用車を導入できます。しかもリース料は毎月一定額で、支払った額をすべて経費として計上が可能です。税金もリース料に含まれているため、記帳項目が減る上に納税の手間も省けて経理担当者の負担も軽くなるでしょう。資産管理はリース会社が行うため、面倒な減価償却の手続きも不要です。社用車をカーリースで導入するか、あるいは現金やオートローンで購入するかは、支払う費用の合計だけでなく、経理処理の負担も考慮して判断してみてはいかがでしょうか。「オリックスU-car」なら、社用車の予算に合わせて豊富なラインナップから選べます。車検やメンテンスも定額にできるメンテナンスプランも用意されているため、ぜひチェックしてみましょう。
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